W杯観戦記 【決勝篇】 [football]
さる6月9日に開幕した第18回ワールドカップドイツ大会は、その1ヵ月後の7月9日についに決勝戦を迎えました。イタリア-フランスの欧州古豪決戦となった決勝でしたが、イタリアがPK戦の末に24年ぶり4度目の優勝を飾り、大会の幕は下りました。一人のスーパースターの失意とともに…。
【決勝】 イタリア 1-1(PK5-3) フランス 7/9
試合はやはり前半から動きました。いきなりのフランスのPK奪取は、準決勝のポルトガル戦同様に微妙な判定…。も、こういうチャンスを逃がさず決めるジダンはさすが。それにしてもあんなきわどいコースの狙い方はありなのか?
が、試合が膠着する前にすかさずコーナーキックから同点に追いついたイタリアは相変わらず抜群の試合巧者ぶりです。ピルロの右足からのセットプレーは絶妙の精度でしたね。あと1点くらいセットプレーから取っていても何ら不思議はないほど。そして、以降前半はこのままイタリアペースで進むことに。
それでも後半は、前半に飛ばしすぎたイタリアのペースダウンに伴い、フランスがボールポゼッションを高め一気に攻勢に転じます。イタリアも早めの選手交代で手を打ってきますが、この流れは延長まで変わらず続くことに。しかし、フランスもイタリアの鉄壁の守備陣を前になかなか決定的な場面までは作れない。こうして、試合は今大会すでに何度も見たような膠着状態となっていきます。
そうして、結局延長戦でも決着はつかず、PK戦にもつれこむことに。直接は関係ないのかもしれませんが、それでもやはり勝負をわけたのは↓の瞬間だったように思えてなりません。
ジダンまさかの「ご乱心」
ジダンが癇癪持ちなのは有名な話ですが、それにしてもことこの場面でやってしまうかと…。なんとも居たたまれない気分で見ておりました。自らのキャリア、フランスの快進撃、それらすべてに泥を塗る行為なのは考えるまでもなくわかることで、たとえ何を言われたにせよ自重できなかったのかと。
いくらPK戦に滅法弱いイタリアと言えども、こうなってしまっては試合の流れとしてフランスに勝ち目があるようには思えなかったですね…。で、結局イタリアはPK戦で5人全員が成功させ、見事優勝を遂げるわけです。運もありましたが、それでも選手・監督はじめチーム自体は十分優勝に値する戦いぶりだったと思います。勝つべきチームが勝ったと言えるかもしれませんね。
にしても、イタリアのマルコ・マテラッツィはこれである意味歴史に残る選手となりましたね。この試合で、フランスにPKを与えるファウル、イタリアの得点、ジダン退場など重要局面は全て彼の仕事だし。さらにはPK戦でもキッカーを務め成功させてます。ちなみに、彼はかつてペルージャで中田の同僚だったんですけどね~。当初控え選手だったのに、どえらい仕事をしたものです。
ということで、これにてワールドカップも終了です。全体的に得点の少ない大会だったようですが、それも言い換えれば上位チームの勢力が均衡していた証でしょう。ひさびさに非常に見応えのあるワールドカップを見られて個人的には大変に満足の思いです(日本代表の戦いぶりを除く…苦笑)。にしても、今はようやく長い寝不足の日々ともさらばという安堵感でいっぱいです(笑)。
決勝が3時からだとは思わず4時起きして前半を見逃しました。
bone-shakerさんの記事を読んで悔やんでおります。
(結局再放送で改めて通して見ました。)
決勝戦にふさわしいというかドラマチックで非常に印象深い試合でしたね。
ジダンの一件は未だ真相究明で大騒ぎ状態ですが、それまでイタリアといえば、カンナバロ、トッティ、デルピエロ、ピルロ、そして丁髷カモラネージを覚えるのがやっとだった私でさえ、マテラッツィのことはいつまでも記憶に残りそうです。
今回のワールドカップ、bone-shakerさんの記事のお陰で普段サッカーにあまりご縁のない私にも大変勉強になり、試合観戦するのが何倍にも楽しくなりました。多謝多謝です。
by うつぼ (2006-07-11 23:37)
そうそう、なぜか決勝戦だけ3時キックオフだったんですよね~。4時であれば頑張って早起きする感覚ですが、3時だと寝て起きてまた寝るのか…という時間で(しかも延長戦だったし)大変でした(苦笑)。
それにしても改めて、決勝戦の最後にまさかあんなことが起ころうとは…という思いです。何と言っても試合後のこの騒ぎの大きさが事の重大さを物語ってますよね~。で、そのジダンもともかくとしてやはりマテラッツィには私も強烈に印象を受けました。これ以上ないヒール役ですものねぇ(笑)。
utsubohanさんには、この拙い観戦記に最後までコメント寄せていただきこちらこそ感謝です。サッカーに限らずスポーツ観戦は知識が多いほど楽しめると思うので、その意味でこの記事が少しでもお役に立てたのなら大変嬉しく思っております。
by bone-shaker (2006-07-12 00:15)
僕も勝つべきチームが勝ったと思います。
個人的にはサッカーに関しては我が国ではなくイタリアを常に応援していました。だから好きという理由で今大会はイタリアが優勝すると思っていました。実はいつも負けそうな危うさが良かったんです。
地力のイタリア、勢いのフランス、地元のドイツといったところでは。
ジダン擁護者が多いようですが、僕は反対です。暴力です。
MVPもカンナバロかブッフォンが妥当ではないですか。投票した人の感覚が理解できません。(投票した時間の問題もあるようですが)
今日になったらMVP剥奪もなんて...
代わりに誰かMVPになるんですかね。
by (2006-07-13 10:54)
ヒゲボーズさんはじめまして。コメントありがとうございます。
私は、当初はイングランド&アルゼンチンを応援し、両国敗退後はイタリアに勝って欲しいと思ってました。おっしゃるように、ここしばらく常にマズイ試合運びで危うさをもったイタリアでしたが、今回は簡単に負ける感じはしなかったですよね。
それから、仮にジダンの頭突き&レッドカードがなかったとしても、それでもMVPはカンナバロが妥当ではないかという気がします(決勝のPKを自らストップしていればブッフォンでも良かったですが)。ディフェンスの選手にあれだけ感心させられたのは最近記憶にないくらいですよ。ジダンも確かに素晴らしかったですが、もっとも全盛期はもっと凄かったわけだし…。いずれにせよこのMVPの選考方法は確かに問題ありですよねぇ。
by bone-shaker (2006-07-13 23:55)